家では、良く喋る子が人見知りが激しくて、人前でほとんど話さないと
心配になってしまうこともありますよね。
今日は、「場面緘黙症」についてお話ししたいと思います。
場面緘黙症は、広く知られていないため、
「子どもが話せないのは親のしつけや環境のせい」と
心を痛めるてしまうことも…。
🐌 場面緘黙症とは
場面緘黙症は「選択性緘黙症」とも呼ばれ、選択した場面や
特定の人に対して話さない状態を言います。
発語や発声など身体的には、問題がないのにもかかわらず、
家族など慣れ親しんだ人以外の人と話ができないのが特徴で、
3歳から8歳の5歳前後に多く、
どちらかと言えば男の子よりも女の子に多い傾向にあります。
人見知りや引っ込み思案の場合は、慣れるとすぐ話ができるようになりますが、
場面緘黙症の場合は、新しい環境や見知らぬ人になれるのに時間がかかり、
1か月以上経っても誰とも話ができないケースあります。
家では普通に話すことができるのに加え、
保育園、幼稚園や学校では大人しく手のかからない子と認識されるため、
親や先生も気づかずに放置してしまい症状が長期化する傾向にあります。
🐌 場面緘黙症のチェックリスト
場面緘黙症の程度はさまざまで、軽度の場合は限られた人となら小声で離すことができますが、
重度になると話せないだけでなく、フリーズしたように身体を動かすことができなくなる
「緘動(かんどう)」という状態になることもあります。
ただの恥ずかしがり屋で大人しいだけなのか、
それとも場面緘黙症が疑われるのかは判断が難しいことから、
場面緘黙症によくみられる症状に当てはまるチェックしてみましょう。
□ 1 家では流暢に話すことができるのに、特定の場面や場所で話さない
□ 2 先生や近所の人など、特定の人とうまく話せない
□ 3 見知らぬ人に話しかけられると応えられない
□ 4 特定の場所に行くと、じっとして動かないことがある
□ 5 話すことを求められると頑なに拒否する
□ 6 指差し・頷くなど、言葉以外で意思表示をすることがある
□ 7 他人との関わりを避ける傾向にある
□ 8 家庭以外の場所であまり感情を表に出さない
□ 9 家庭以外の場所で緊張感や不安感が強い
□ 10 自己主張が少なく、目立たないほうだ
□ 11 どちらかと言えば慎重な性格だ
□ 12 保育園、幼稚園や学校などで1ヶ月以上離さないことがある
yesの数が多いほど、場面緘黙症の可能性が高いと言えます。
🐌 場面緘黙症の原因として考えられる要因
場面緘黙症の原因は、まだ明らかになっていないですが、
不安を感じやすい、慎重に行動するのような元々の性格をベースにし、
さらに環境や心理的な要因が影響するようです。
1.新しい環境に回避的な気質
新しい環境におかれたときに不安を感じやすいことで、
慎重になりすぎるあまりに「話す」という行動が抑制されることが考えられます。
2.言葉への苦手意識や発達の遅れ
話すことに対して苦手意識があったり、発達の遅れによって
うまく話すことができなかったりする場合に、
周囲から話し方を指摘されて、話すことが不安になってしまうことがあります。
話さないことが続くと話さないでいることのほうが楽だと感じて話さないままでいたり、
話さないことが癖になってしまうこともあります。
3.環境の変化へのストレス
入園や入学などの環境の変化は、子どもにとって大きなストレスとなります。
その子の気質や言葉の発達の遅れにストレスが加わることにより、
子どもが処理しきれなくなって場面緘黙症を発症してしまうことも。
不安感や恐怖心が強いほどストレスが大きくなるため、
症状の悪化につながることもあります。
子どもが人前で話さないことは、心配になりますよね。
大人しいのか、場面緘黙症なのか保育園、幼稚園や学校の先生は、気が付きにくいため
しっかり場面緘黙症の理解を深めて対処したいですね。
次回は、対処方法についてお話ししたいと思います。
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