前回、場面緘黙症の症状についてお話ししました。
実際、チェックシートで、YESが多いかった方もいらっしゃたと思います。
じゃあ、どうしたらいいの?と思っていらっしゃいますね。
今日は、対応の仕方についてお話ししたいと思います。
🐌 子どもへの対応の仕方
場面緘黙症は症状から、「わざと話さない」「恥ずかしがり屋」などの
誤解を受けやすく、周囲から理解されないことから症状が悪化したり、
治りにくくなることがあるため、子どもへの接し方がとても重要になってきます。
〇 話すことを強要しない
家では普通に話しているのに、なぜ保育園、幼稚園や学校では、
話せないことが不思議になりますよね。
場面緘黙症は誤解受けやすいことから、
ママが子どもの気持ちに寄り添い一番の理解者になってあげることが大切です。
〇 周囲の大人に理解を求める
場面緘黙症は周囲から理解されにくいため集団生活の場では誤解によって
周囲との溝がどんどん深まることも。
からかわれたりいじめを受けるケースもあることから、
まず、周囲の大人の理解を得ることが必要です。
先生に場面緘黙症のことを知ってもらい、サポートや援助を受けるために
密に連絡を取り合うといいですよ。
〇 医療機関への相談
場面緘黙症は、大人になれば自然に治ると言われていることから、
見過ごされることも少なくないでです。
情緒が発達する5歳前後の時期に、支援を受けないまま集団生活の中で
過ごすことで症状の改善が遅れてしまうと、
不登校・うつ・人間不信など二次的な問題が発生する恐れがあります。
場面緘黙症は、早期治療が大切です。
🐌 場面緘黙症の診断
場面緘黙症は、大人になると自然になることがありますが
幼児期に周囲とのコミュニケーションがうまく取れないことで、
からかわれたりして不安感がさらに強くなってしまいます。
不安神経症や遺尿症などの合併症を引き起こす恐れがあることから
医療機関の受信が望ましいです。
具体的な診断ポイントは、次のよう5つが挙げられます。
・普段は問題がないのに、特定の状況で話せなくなる
・話せないことで日常生活に支障をきたしている
・最初の1ヶ月を除き、1ヶ月以上症状が続いている
・吃音などのコミュニケーション障害や精神病障害の影響を受けていない
🐌 場面緘黙症の主な治療方法
場面緘黙症の発症は、発語や発音などには問題がない子がほとんどのため、
治療は話すことよりもむしろ、場面緘黙症の症状につながる不安や恐怖心を取り除くこと、
環境への適応、自我の確立などが中心となります。
〇 遊戯療法
遊びを通じて適応力を養う遊戯療法は、
言葉をつかった表現が未発達の幼児に対する心理療法の中で最も一般的な治療法です。
遊びには、ストレス発散のほかに人間関係の構築の効果があるため、
集団治療が行われることもあります。
〇 認知行動療法
子どもの考え方や捉え方に働きかけることにより、
話すことへの不安や恐怖心を改善することを目的とした治療法です。
子どもが抱える不安や恐怖がどれぐらい現実と食い違っているのかを
日常生活の中で具体的に明らかにして、
場面ごとに行動や感情のコントロール法を学ぶことで問題を解決します。
場面緘黙症は、早期治療が大切で子どものストレスを取り除くことが大切です。
私のところへ相談に来られた方で、早期治療で良くなったお子さんがたくさんいらっしゃいます。
そして、二次的な問題が起きる前にしていきたいですね。
そのために、場面緘黙症についての理解を深めて子育ての不安を取り除きましょう。
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