子どもだって別れは辛いの。子どもの表現の表し方 ~子どものグリーフ(大切な人を失った子ども)③

身近で大切な人やものを失った反応は、大人も人それぞれですが

子どもの場合は個性や発達段階によって別れの理解が異なるために

別れや死別後の子どもの反応や表現は大人からみると理解しにくいことがあります。

時に、大人は子どもに対し

「小さいから、わからないだろう」「小さいから、知らせないほうがいい」という理由で、

本当のことを伝えないことがあります。

でもね。

大切な人やものを失った 子どもにも、

悲しみ、怒り、戸惑いなどさまざまな思いを感じています。

子どもによって表現は、さまざまでおとなにとってわかりにくいことや

悲しんでいないような様子だったり、衝撃を受けていないようにみえることもあります。

今日は、大切な人やものを失った子どもの反応と表情についてお話ししたいと思います。

🍒 子どもの反応と表情

子どもの心の持ち方は「押し寄せてくる変化への対応」と

「変化をどう受け止めたらいいのかわからない」というように現れます。

泣くことも、乱暴になることも、おとなしくなることも反応のひとつで、

また、「どうしたらいいのかわからない」という反応のひとつです。

これは、自然な反応なので病気でもないのです。

子どものグリーフの反応
情緒面 悲しみ・怒り・泣く・恐れ・不安・気分のむら・抑うつ・興奮・罪悪感
行動面 乱暴・落着きがない・はしゃぐ・上の空になる・何事もなかったように振る舞う・活気がない
身体面 頭痛・腹痛・倦怠感・めまい・食欲不振・不眠
社会面 退行・親から離れられない・攻撃的な行動・ひきこもる・学習に集中できない

といった反応が起こります。

・何が起きたかを十分に理解できない子どもは、

大切な人やものを失った状況による悲しみやストレスが

これまでできていたことができなくなってしまったり、

しようと様子が現れることがあります。

一方では、いつも以上に元気に振る舞う、素直な感じ、寂しさや悲しいなどの様子を示さないなど

何事もなかったように振る舞うことがあります。

このような時、子どもは平気だと思わず、

どのように悲しみを表現していいのかわからないと思うことが大切です。

大切な人やものを失ったことは、混乱など別れそのものへの強い悲しみと同時に

受け入れがたい出来事であればあるほど、

何事もなかったかのような行動をして過ごしているようにみえることがあります。

これも子どもの強い悲しみの表現のひとつなんです。

・悲しみが怒りとして表現することもあります。

例えば、

学校などで乱暴な行動をする、イライラしているなどの様子が見られることがあります。

これは、子どもにとって見捨てられた、おいていかれた強い思いの結果として

表現されています。

自分の思いを攻撃という形でしかうまく表現できないのです。

・幼児期の子どもは大切な人やものを失ったりすることを

時に自分のせいであると思い込むことがあります。

これは、自分の体験のなかの範囲で状況を理解しょうとする結果、

良くないことをして怒られたから、悪いことをしたからと

短絡的に考えてしまうのです。

例えば、

親の言うことを聞かない悪い子だったとか、

けんかをしたときに「いなくなればいいのに」と思ったから亡くなったのではないかと

考え罪の意識や自分のしたことのせいにしてしまいます。

★ 大人と子どものグリーフの反応の違い

子どもの反応は、ほとんどが大人と共通しますが

トイレにいけなくなったり、自分でご飯を食べれなくなったり、

親から離れないなど赤ちゃん返り(退行現象)は、

子ども特有の反応と言えます。

そこには、「不安感」があります。

また、学校生活では授業に集中できず勉強が遅れてしまったり、

普段よりも怒りぽく、友だちやものに八つ当たりをするというようなことがあります。

自分の気持ちを言語化できない年齢の子どもは、

怒りを言葉でなく行動で表現をします。

勉強に遅れてしまったり、乱暴な行動をとる子どもは、

大人からみれば、問題行動を起こしている「問題児」ととらわれがちになります。

大人たちは問題行動に苦労しますが、

子どもの背景を考慮して心情を理解すると、

問題行動は非嘆の現れだったということも多くあります。

★ グリーフ反応は人によってそれぞれ違います

悲嘆の反応は、さまざまです。

泣いている子は悲嘆が深く、はしゃいでいる子は悲嘆が浅いということはなく、

悲嘆の表現方法も子どもそれぞれ違うのです。

子ども一人ひとり違った悲嘆の表現は違います。

子どもの反応は、内にこもる、行動が外に出る、

いい子になり大人を支える側に回るという3つの反応に現れ

いろいろな場面で入れ替わり立ち代わり出てくるようです。

グリーフ反応は、身体に現れたり、心理面で現れたり、社会生活で現れたりします。

★ 子どもにとって「遊び」の役割とは

子どもは言葉で意思伝達をすることが難しいため、行動で意思伝達を図ります。

言葉より、遊びを通してグリーフを表現して、対処していきます。

体験をおもちゃを使って再表現することで、

体験を自分なりの折り合いを付けていこうとすることもあります。

あそびは子どもが内面に抱えている恐れ、怒り、心配、欲求不満、罪悪感などの

不快な感情や考えのはけ口になることもあります。

あそびは、こどもにとってグリーフを解消していくための大切な手段なんでですよ。

★ 子どもには選択肢が必要なんです

別れは、子どもにとってコントロールができない脅威的なものです。

別れがあった後の子どもは、毎日が不安になり、

無力感を感じることもあります。

そんな時子どもは、自分自身で状況をコントロールすることができる環境や

自分自身でものごとを選びとることのできる選択肢が必要になります。

春は、入学・卒業や大人の事情で転居をせざるを得ないこともあります。

そのため、子どもにとっても大切な友だちや人との別れは、必然的にやってきます。

子どもも別れは、悲しく辛いものですが大人と違った表現をします。

そのことを理解を深め寄り添い接していくことが

この体験を通して子どもの成長を助けることにつながります。

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